鍋山の泥湯と鍋山の湯‥
別府八湯の中でもっとも山側に位置する明礬温泉。別府保養ランドをさらに越えて、
ゑびすやという旅館の手前から左に巻いた林道(途中、進行方向左側は絶景)でアプローチします。
最後は荒涼たる景観を眺めながら山道を5分ほど歩いて辿り着きました。
鍋山の湯から岩の傾斜面を湯川伝いに一段上った位置に鍋山の泥湯があります。
上下2つある湯溜りのうち下の方が暖かく、
泥の湯の底から気泡が絶えず出ていたことが私の琴線にふれて思わず感動いたしました。
あいにくの雨と寒さで一度は入湯をためらいましたが、別府らしくメタ珪酸丸出しの青く美しく変色した泥や岩肌が所々に見られ、
硫黄の付着で黄色く変色した岩盤にぽっかりと丸くあいた穴からは地底のガスが音を立てて噴き出している‥
そのような光景を周辺で目の当たりに致しますと、にわかに根拠のない勇気が湧いてきて、
濡れた岩の上に服を脱いでとうとう泥湯の中に飛び込んでしまいました。
高台に位置する泥湯からはジャイアントスキー場のような雄大な山の傾斜を眼前に望み、
全国あまねく野湯・山の湯のなかでも、ここまでの臨場感ある眺望は極めて稀な存在でありましょう。『大九州に来たのであるなぁ』。
魔境に湧く『極楽泥湯』に小一時間浸かりながら仰ぎ見る、霞がかった早朝の山容の光と影の移ろいの妙は殊更美しかった。一期一会。
ある刹那、天国の様子を泥の地獄世界から実際に見ているような気になって、一瞬ぞっとしました。
鉄輪温泉・神和苑‥
神和苑へは山地獄の駐車場を抜けてアプローチします。「青の湯」は、
はじめ無色透明の湯として地上に現れ、数日の内にその色を魅惑的なブルーに変え、やがて素肌にもなめらかな乳白色となってゆきます。
10年以上前に訪れた際は、浴場も脱衣場も完全に男女共有のしつらえとなっており、
当時の脱衣場はさながらお寺の茶室の壁をとったようなそれはそれは開放的なもので、
温泉はというと茶室から石段を何段も下った日本庭園にある、まるで鯉でも泳いでいるかと思わせるような立派な青い池のようでした。
原始的でシブさ爆発の蒸し風呂もあって、大変印象に残っていました。今回入湯してみると、時代の流れか、すべてが男女別となっており、
当時まさに圧倒的であった「茶室」と「庭園」の横の広がりと、蒸し風呂の存在自体が失われていたのは少し残念でしたが、
僕自身全国の色々な温泉を経験してから臨んだこの度の「青の湯」は、改装によるマイナス面を帳消しにするばかりか、
その極めて稀な色合いと浴感、そして鏡面コーティングでもされたような浴後感から、あらためて素晴しい温泉であるなぁと感嘆しました。
そういえば、かの有名な郡司勇さんが100点満点をつけた湯は全国でも四湯しかなく、
今現在の神和苑の湯がそのうちの一つに選ばれていることからも、(過去を申しならべるのは単なる野暮であって) 神和苑の「青の湯」
こそは、まさに究極の一湯と言えましょう。
塚原温泉・火口乃泉‥
伽藍岳の山懐にある、これまた大変素晴しい温泉です。
全身に重度の皮膚疾患を患った若い男性が、温泉に浸けたタオルを絞っては顔に何度も何度も当てていた光景が、いまなお、心に浮かびます。
浴場では、誰も何も語らず、ただひたすら入浴と休憩を繰り返しておられました。
刺激が強く重めの浴感と、酸っぱ苦い食味は初めての感じです。聞けばこの塚原温泉は、酸性度の強さ日本第2位(ph1.4)、
鉄イオン含有量の多さ日本第1位(456mg)、アルミニウムイオンの多さ日本第2位(295mg)と、何やら記録尽くめの温泉で、
ある方面では『東の玉川、西の塚原』と呼ばれています。小規模のうえ実に辺鄙な場所にあるにもかかわらず、駐車場は満車で、
バラエティー豊かに他県ナンバーの車で埋め尽くされていました。
寒の地獄温泉‥
日本秘湯を守る会。くじゅう国立公園内にあり、
やまなみハイウェイで簡単にアクセスすることができます。
その冷たさと水着着用ルールで有名な冷泉は7月~9月の期間限定であったため残念ながら入れませんでした。アントニオ猪木をはじめ、
格闘家も御忍びで度々湯治に訪れるこの温泉は、とりわけ、リューマチや水虫に著効がみられるとのことです。
地獄温泉・清風荘‥
直下から泥まじりの硫黄の湯が自噴することで全国にその名を知られる
「すずめの湯」。
九州秘湯の中でも、
玄人素人問わず遍く温泉ファン層から横綱として位置づけられています。
ここにはいつか行かなければならないと使命感にも似た想いがありました。
風格ある玄関に据えられた大きな2つの提灯が歴史と伝統を感じさせる木造本館のほか、
本館では適わぬ遮音に配慮された比較的近代的な造りの別館、本館の並びに位置して外観・
室内とも昭和の二階建アパートの雰囲気漂う自炊棟のほか、そこからさらに奥に下った一帯にはトレーラーハウスが並んでいたりと、
これはどうやら、歴史あるかつての湯治場としての地獄温泉がその恵まれた源泉と本館の建築を大切に守りながら、
時代の多様なニーズに応えることのできる現代の一大湯治温泉村に拡大と進化を遂げたのでしょう。
温泉はというと、前出の「すずめの湯」のほか、本館の端にある内湯の「元湯」や、
自炊棟からトレーラーハウスまでの長い下りの途中にある「新湯」、
そして「露天風呂」と男性風呂を見下す位置にある女性専用の「敵討ちの湯」など、
源泉も風呂もバラエティー豊かで、何をとってもスケールの大きな温泉でした。
外来入浴の受け入れが終了する22時以降の「すずめの湯」は素晴しかったなぁ。
写真撮影のためにと、入浴終了時間をとうに過ぎた深夜2時にに三脚を担いで「すずめの湯」へのなだらかな階段を駆け降りてみると、
男女がひとつのシルエットになってウフフフフ‥などと悦に浸っていたのにはびっくらこきました。
その他、東北ではあまり見られない性質の良くない人がたまにいましたが、
湯はまぎれもない特級品ですし、なかなか美味しい「地獄鍋」という夕食もあることだし‥、池島さん、いつかきっと御一緒しましょう。
ちなみに今回僕は自炊棟(コタツ・ガスコンロ・冷蔵庫あり、素泊り\3,500)に泊まりました。
垂玉温泉‥
日本秘湯を守る会。地獄温泉から少し下った位置にある写真の滝の左下に風呂がありました。
次回阿蘇界隈に来た際には是非ここに泊まってみたいなと思います。
別府温泉保養ランド‥
3回目の訪問。超巨大な施設です。
受付で料金を支払うと、人工芝の敷いたとても長い通路を通って「コロイド湯」にやっとのことで辿り着きます。
「コロイド湯」の横からエントリーするのが「室内鉱泥湯」です。
泥の比重が重たいことから、体が変に浮いた感じに見舞われて手すりにつかまらないと上手くバランスが取れないほどです。これこそが、
僕が経験した中で、究極的に凄い泥湯でございます。さて、そこからさらに通路を進むと、いよいよ「巨大屋外泥プール」
に自動的に突入します。
肌感がセクシーのなんのって‥。中央の囲いの部分がいちばん泥の成分が濃いそうで、
ここに1時間足をつけているだけで水虫ならばイッパツで治るといいます。ひとつ隣には竹で簡易な柵が築かれており、
その向こう側はすぐにかの有名な紺屋地獄が激熱で活動しており当然ながらそちらに入ってはいけません。話に聞くと、
ここ保養ランドの泥は、理学的な根拠に基づいて実際に著効があるとして「九州大学温研」
が実際に治療のために泥シップとして患者に処方したり、「自衛隊」も実際につかってたりしたほか、
郡司勇さんや嵐山光三郎さんのような真の温泉家が賞賛をおくる『銘泥』なのです。ちなみに小学生以下は成分の濃度の高さから、
にゅうとうできるのは「コロイド湯」までで、官能的な『泥の楽園』には残念ながら入園が許可されません。
関西汽船・さんふらわぁ‥
4歳になる長男・
京太郎が終始大はしゃぎでありました。船旅って、たまには良いものです。
総評
九州シンフォニーは今後何年もかかりそうです。はじめて見る阿蘇の噴火口はよかった。
嫁も子供も寝静まった船内各所での夜遊びはとても楽しかった。
あと、別府保養ランドの泥湯で、真田vs高山
のバーリトゥード戦を是非観たいと思いました。
なかのパパ
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